パワハラは個人経営や大規模組織に関係なく起こります。
看護師の世界でもそうですね。
先に断っておきますが、私は個人病院を中傷したいわけではありません。
でも、狭い人間関係の中で逃げ場がなく、ターゲットの看護師は結局自主退職しかなくなるパターンは、やはり規模の小さい組織でありがちだと思います。
私が遭遇したあからさまなパワハラの話ですので、興味のある方はお付き合い下さいね。
狭い人間関係を好きな人だけで固めたい
個人経営の病院は、大規模な組織と違って人間関係もとっても狭い、そもそも職員がいないので仕方ないことです。
もちろん、経営は個人でも病棟がたくさんあり大きな組織のところもありますよね。
でも今回の話はそういう職場ではなく、院長とも直接かかわり、全部顔見知りのような小さい組織の話です。
人のプライベートにまでやたら詳しいような。
よく言えばアットホーム。
居心地よければそうなのかもしれませんが、そこが紙一重なのでしょう。
そういうところの院長先生は殿様のようなものです。
そして、機嫌取りの上手な看護師がその後ろを付いて回っています。
そんな人間関係に、ちょっと違うタイプの人が入りこむととんでもないことになります。
人として看護師として常識に欠けるとかいう人はそこでなくても論外ですが、そんなことではありません。
そういう狭い組織の中では、経営者や古い方達は、だいたい自分が扱いやすい人で固めたいという希望があると思います。
それは決して間違ってはいないし、その気持ちはわかります。
働きやすい環境を守るというのは大事なことですからね。
気に入らない看護師に退職するまで嫌がらせ
できあがっている人間関係を守りたいのは理解できるのです。
でもこういう保守的な雰囲気は、どんなに真面目に職務に取り組む落ち度のない看護師でさえも、なんか気に入らないという感情的な理由だけで簡単にはじき出されることもあります。
何となくテンポが合わない、性格が合わないということは、人間であれば多少はあって当然。
看護師の数も多ければ、合う人合わない人それぞれなので、影響も少ないかもしれません。
仲の悪さが目立つほどだったとしても、シフトですれ違いも多いのでまだ救われます。
でも、完結した狭い世界の中では、力関係で上の人に嫌われたら最後、泣いて退職を申し出るまでパワハラされたりもするのです。
*参考記事
看護師のお礼奉公の話
看護師は元々、パワハラが根付きやすい職種なのではないかと思っています。
その昔、看護師が個人医院などに住み込んで、仕事しながら学校に行かせてもらうというスタイルは普通でした。
私の同級生には、「仕事の時間はここまで」と決まっていないような古い体制のところで、要するに丁稚奉公というか、住み込みお手伝いさんのように院長宅の家事までしている学生もいたのです。
私は住み込みはしませんでしたが早朝や休みに病院のアルバイトはしていました。
なので住み込みの仕事内容にはびっくりでしたが、それも看護師の歴史だったりします。
そして無事に免許を取ったら、今度は「お礼奉公」と呼ばれる制度が待っているのです。
お世話になったその個人医院に就職し、恩返しに何年間かはそこで働かなくてはいけない拘束があります。
給料はもちろんありますが、その「何年か」はそこの院長先生のさじ加減です。
途中で退職を申し出ようものなら、「裏切り者。よそでも働けなくしてやる」と圧力をかけられ、退職することもままならないというような話も聞いていました。
嘘みたいな話ですが、当時はこういうのも特別珍しい話ではありません。
嫌がらせで退職に追い込むのも恐いですが、嫌がらせで退職させないのも恐いです。
経営者からのパワハラ
CASE 1
私は転職を何回かしていますが、比較的大きい組織を選んで働いていました。
私の中では、こじんまりした環境をなんとなく警戒していた部分もあったのだと思います。
個人のクリニックは、転職の合間でパート勤務の経験があります。
そのクリニックの院長は、特別に受付事務の女性に対する好き嫌いの激しさが目立ちました。
受付事務は、求人を出せば次々と応募があります。
こういうご時世なので、クリニックの事務職の女性の求人などは貴重なのだと思います。
面接して採用し新しい人が入って来ると、気分を一新したくなる癖なのかわかりませんが、それまでいた誰かを退職に追い込みます。
多分、それほど院長に嫌われていたわけではなかった人なのに、新人が来たら急に冷たくされます。
することなすことにいちいちケチつけられて、仕事のついでに人格も否定し、それはパワハラそのものだったと思います。
それは退職するまで続き、やがて新しい人に取って代わられた形で自主退職していくのです。
私がそこで働いたのは短い間ですが、その短期間で何度繰り返されたことか。
事務職の求人は恒例行事のようでもありました。
雇用された方はたまったものじゃないと思います。
CASE 2
病棟をいくつか持っている病院で、ワンマンな院長による個人経営の組織での話です。
1人のおばさん看護師が、自分よりも古い看護師が目障りだったようで、院長のパワハラを利用して彼女を退職に追い込みました。
もちろん追い込んだ方には何の権限もありません。
パワハラ被害に遭った看護師は美人で、最初は院長にも気に入られていたようだったので、嫉妬とかそういう類ではなかったかと私は思っています。
追い込んだおばさん看護師の方は、院長にも印象が薄かったと思います。
しかもこの看護師二人は、プライベートでも付き合いがあって一見仲がよさそうでした。
おばさん看護師は、自分の仕事ぶりを過剰アピールしながら積極的に院長にお近づきになりました。
院長と仲良くなる機会をいつも狙って一人で残業を繰り返し、信じられない幼稚な話なのですがそれが成功し、しかも周囲はいつの間にそんなに仲良くなったのかも全然気づきませんでした。
そして地道に美人看護師の悪口を吹き込み続けたのです。
その内容は「あることないこと」ではなく「ないこと」ばかりです。
ターゲットの美人看護師は仕事の態度が悪く、患者さんや病院がどれだけ損害を受けているのか、院長のことを陰でどんな悪口振りまいているか、作り話を院長に訴え続けました。
そしたらサブリミナル効果でもあったのでしょうか。
やがて院長はその美人看護師に腹が立って辞めさせたくなり、おばさん看護師と組んでパワハラし放題します。
元々パワハラの意識など低い院長でしたので、人前で怒鳴るなど序の口です。
ターゲットの看護師は、自分の担当する業務の変更を教えてもらえなかったり、身に覚えのない失敗を自分に擦り付けられていたりという小細工にさらされていました。
おばさん看護師は私も味方にしたかったようで、私にも彼女の悪口をしきりと吹き込んできましたが、近くで見ていてあからさますぎたので刷り込まれませんでした。
そして私も結局、同じパワハラに遭うことになります。
消耗して自主退職・個人病院では諦めるしかない
院長のパワハラを先導したおばさん看護師は、院長の秘書のような存在になり格上げされました。
パワハラを受けた看護師は、心身ともに疲れ果て自主退職に追い込まれました。
パワハラに抵抗したところで、所詮、個人商店は経営者次第。
パワハラが表沙汰になり問題視されるのはごく一部、パワハラを受けた方が去るというのはよくある話と思います。
退職するのがいいのか悪いのかは別として。
どんなに悔しくても理不尽でも、あまりに内容がバカバカしく、そして辛い思いをするのなら、退職する方を選ぶというのも間違ってないはずです。
他にどんな方法があったのでしょう。
そんな刷り込みされてコントロールされた院長も特殊かもしれませんが経営者ですし、おばさん看護師はひどいけど、まんまとうまくいったのです。
私達は早く二度と関わらないでいいようになりたかったのです。
まとめ
看護師も転職の多い職種なので、大きい病院ならばどこからか噂話を聞くこともありますが、個人医院は入ってみないとわかりません。
パワハラは、逃げ場所や相談の場所、異動できる部署があるかないかでは辛さも大きく違うと思います。
少人数の中でそんな目に遭ったら針のむしろです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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