看護師の人間関係が最悪という話は、どこの勤務先にでもあります。
看護師の世界はそういうものですが、それをスルーできるかどうかだと思います。
この世界はとっても閉鎖的なので、ねちねちしたいじめは日常的にあります。
何より、それに気づいていないのが一番厄介なんだと思います。
看護師の人間関係は殺伐としている
看護師の人間関係は悪いと思いますが、他の職種に比べて特別に悪いかと言えばそうでもないかもとも思っています。
というのも、職場の人間関係とはこういうものではないかと私は思っているのです。
私は、これまでに何度も転職しているし、看護師以外の仕事もしてきました。
看護師になる前は、クラブのホステスでした。
水商売の世界も、人間関係はいろいろとえぐいのです。
過去にどん底体験もたくさんしているので、それと比べれば看護師の職場なんてまともだと感謝したくなる職場もあるにはありました。
もちろん、人間が大勢いればその中には相性悪い人もいるものです。
要するに、仲良くできない人がいようが、お互いに仕事に支障なく大人として関われるならそれで十分と私は思っているのですが。
職場の人間関係に期待しているものが、私の場合は低いのです。
問題は、そこで仕事を続けていけるかどうかですよね。
看護師の人間関係は、殺伐としているのが一般的です。
職業柄、楽しく働きにくいので仕方ないのかもしれませんが、確かにギスギスしていると思います。
人間関係がよいなんて聞いたら、反対に疑心暗鬼になってしまうかもしれません。
看護師は他人に構っている余裕がない
看護師は常に人手不足なので、ギリギリの人数で業務に追われ、忙しいのが基本です。
仕事中は水も飲めない、トイレに行く暇がない、ご飯を食べる時間がない、休憩時間がない、そんなことは日常的です。
チームになってはいるけど、それぞれの看護師は自分の担当患者の処置や検査、その他雑多なことに追われていっぱいいっぱいです。
同じチームで和気あいあいと仲良く仕事をしているわけではありません。
もちろん協力し合う場面もあります。
どう考えても1人では対応が無理な処置はありますので。
でも、それ以外では、各自が何をしていてどう忙しいのか結構知らないし無関心なものです。
冷たいのではなく、それぞれが余裕がなくて、みんな自分の業務に専念して他のことに構っていられないのです。
看護師の心身はいつも疲れている
看護師はほとんど慢性疲労の状態だと思います。
一番の原因は、夜勤のせいだと思います。
夜勤は、正常な生体リズムが狂ってしまう上に、看護師の夜勤は昼間と同じかそれ以上に頭も体もフル稼働しています。
そんな夜勤が繰り返されるので、疲労はなかなか回復しないのです。
体に蓄積した疲労は精神の安定を崩し、感情のコントロールにも影響して来るのが当然ではないでしょうか。
業務が滞る苛立ち
看護師は、自分でタイムスケジュールを組み立てて、無駄な動きのないようにして動いています。
でも、どんなに効率的に動いても、最後は患者さん次第なんです。
私は、新人の頃、用事があってどこかに行くならついでに3つの仕事を終わらせて戻って来るように、と叩き込まれました。
何回も行ったり来たりするのは無駄だからです。
常に効率よく、時間を短縮して業務にあたるようにと教育されました。
看護師を続けていれば、こういう動きは自然に身に付きます。
でも、自分ではどんなにうまく進めているつもりでも、1つのナースコールで簡単に崩れます。
あっちで呼ばれてこっちで呼ばれて、完全に自分のペースを失います。
こういう状況って、実は心理的に大きな負担になるそうです。
自分でスケジュールをコントロールできなくなる状況というのは、かなりストレスが溜まるのだそうです。
その上、看護師の仕事はミスが絶対許されない緊張感のある仕事ですので、いつもストレス満載です。
いじめのターゲットになる人
やりがいとかそういうこと以外で、労働条件に満足している看護師は実は少ないのではないかと私は思っています
看護師が抱える不満
- 夜勤シフトがきつい
- 人手不足で業務量が多い
- 希望休も連休も取得しにくい
- サービス残業が多い
- 患者さんからの理不尽なクレーム
- 医師と疎通が取りにくい
体も心もボロボロになって仕事をしているのに、理不尽なことが多い。
休みもなかなか思うようにはもらえないので、勤務とのバランスを取りながら祈るように予定を組みます。
そうやって先の予定を立てていても、希望が通らなかった、ということだってあります。
普通の会社勤めならば、何も考えなくても休日になるところも、看護師はそうはいかない。
だから勤務表ができるまでは気が気ではなく、公表されたら穴が開くほどチェックするのです。
ところで、私も含めて看護師は早口で喋る人が多いなと思います。
仕事中はいつも何かにせかされているので、つい早口になってしまうのだと思うのですが、そういう癖は普段からも出るようで、一度それを一般の人から、早口できつく感じると指摘されたことがありました。
でも言われてみれば、私も看護師の友人にきつい口調で喋るなあと感じたことがありました。
看護師はそんな独特な雰囲気を醸し出してしまいがちです。
そしてそんな雰囲気にうまく入っていけない看護師がいます。
いじめのターゲットになりがちなのは、そんなおっとりした不器用なタイプの人だと思います。
- テンポが遅い
- 機転が利かない
- 要領が悪い
- 報告や意見をすらすらと言えない
このような要素に看護師は敏感です。
それを見つけると、よく「あの人は仕事ができない」というような言い方をします。
そして、そういう要素のある人はいじめの対象になりやすいと思います。
人には、自分が物事をコントロールしたいという欲求があるのです。
でも看護師の仕事は、常にナースコールやその他突発的なことに阻害されてしまう、他者に振り回されてしまう日常なので、その欲求は叶わず、ストレスが溜まりやすくなるということは先ほど書いたとおりです。
そのストレスを解消したいという気持ちは、他のコントロール可能なものに向かいやすいのだそうです。
コントロール可能なもの=従順でおとなしい人
という図式がそこに出来上がります。
逆らわない人を自分の自由にする、それはいじめの誕生です。
人は、自分が満たされてなければ人に優しくなれないというのを絵に描いたようです。
個人によりますが、人は、そこまでするのかというような意地悪も平気でします。
よく見かけるのは、大勢の前でターゲットをこき下ろして嘲笑するという手法かもしれません。
こういう行為は、主導している人だけでなく、一緒になって見下ろす側にまわるその他大勢の人も、一緒にストレス解消になるようです。
とても困っているけど言い出せないでいるのを知っていて、わざと無視とかもします。
新卒さんは、指導という名の元にこういう目に遭うことは多いと思います。
でも、同じ新卒でも人の懐に潜り込むテクニックの高い人もいて、コミュニケーションに大きく差がつきます。
ターゲットになる人は「使えない人」と大抵言われています。
「あの人は使えない」という共通認識で見下ろすことでその集団は結束する、という構図ですね。
人手不足なのにわざと人材を潰す
このようにして人材を潰してしまうのは、もったいないと思いませんか?
看護師の職場は、慢性的に人手が不足しているのに。
使えないとか言わずに、使えるように育てたらいいのですが、何故かこういういじめをする人は、人を排除したがるのです。
要領が悪くても看護師の免許があるのだから、できることをしてもらえば助かるのに、と、私なんかは思います。
人がいないよりいた方がいいに決まってるじゃないですか。
人員が1人でも多い方が勤務表も楽になるし、極端なことを言えば、例えばナースコール対応してもらうだけでもだいぶんありがたい。
でも、「使えない人は足手まといなので辞めてもらっていい」と考えるようなんですよね。
なぜか、ターゲットをいじめ倒して潰しにかかるのです。
潰してしまうとまた人員が減るし、人手不足のスパイラルできりがありませんけどね。
「人手不足で忙しい」と言い続けたいのかもしれない、それが快感になっているのかも?とも思いますが。
こういう構造なので、いじめのターゲットになってしまった人は、自分が壊れるまで我慢する必要はありませんよ。
あなたが可愛いから、育って欲しいから、いじめているのではないのです。
もしかしたらそこの風習みたいなもので、厳しく指導している場合もあるかもしれませんが(全員が通る道)、ただのいじめも大いにあるということを知っておいて下さい。
これはおかしいと気づいたら、耐える必要はないので逃げましょう。
免許を持っているということは、卑屈になることも奴隷になる必要もないです。
さっさと次にいきましょう。
どこも似たり寄ったりなので、次を選ぶのも大変かもしれませんけどね。
ただ、もしも理解者が1人でもいて、あなたがその人について行ってもいいと思えるなら、少し頑張ってみる価値はあるかもしれません。
まとめ
看護師の人間関係の中で、いじめは珍しくないできごとです。
おそらく、昔からある看護師の歴史なのではないでしょうか。
閉鎖的な中で安定を保っているので、外からの人を受け入れるのが得意ではない職種なのかもしれません。
看護師は、ただでさえ緊張感の高い仕事、せめて人間関係だけでも柔らかくならないものかと思いますが、無理なのでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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